前哨戦は公務員が圧倒した。明日12月1日の福岡国際マラソン(平和台陸上競技場発着=日刊スポーツ新聞社後援)の招待選手が29日、福岡市内で会見。1年ぶり対戦の川内優輝(26=埼玉県庁)と藤原新(32=ミキハウス)が、お約束の舌戦で会場を盛り上げた。

 プロとして脚光を浴びながら藤原は、ロンドン五輪惨敗後は故障で鳴りを潜める。一方の川内は、男子マラソン界の話題を独占。立場は逆転し、その余裕がパンチの質に表れた。

 川内

 何だかんだ言っても僕が藤原さんに勝ったのは、藤原さんが自分で失速した1回だけ(通算1勝3敗)。勝てるものなら勝ちたいですね。実業団に勝つより価値がある。

 藤原

 どこから川内君のパンチが飛んでくるかワクワクしている。レース中のジャブに対応しながら1発カウンター狙いで。

 話題は今年1月からチーム藤原で練習を積む、川内の弟鴻輝(高崎経大3年)に飛び火した。

 川内

 弟は恵まれた環境でやっている。夏も(涼しいスイスの)サンモリッツで合宿に行ったし。

 藤原

 来いと言ったわけではないのに、いつも(鴻輝は)隣にいる。よほど兄への反発心が強いのかな。

 負けじと川内がカウンターを見舞いダウンを奪う。

 川内

 秘密主義の藤原さんだけど久々にプロらしい走りを、1人の国民として期待しています。

 藤原

 返す言葉もありません…。

 日本代表の進退をかける川内か、プロの意地を見せたい藤原か。今や遅しとゴングの時を待つ。【渡辺佳彦】