バスケットボールB2リーグのプレーオフ(PO)が3日、開幕する。レギュラーシーズン(RS)西地区4位のベルテックス静岡は、2戦先勝方式のPO準々決勝で東地区1位のA千葉と敵地で対戦。ファクンド・ミュラー監督(50)は優勝候補との一戦に“秘策”の存在をにおわせた。

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RSの成績は、29勝31敗の静岡に対し、A千葉は56勝4敗。今季4戦して唯一白星を奪えなかった相手に対し、ミュラー監督はニヤリと笑って言った。「(秘策は)あります」。内容こそ「秘密」と明かさなかったが、その目には自信がにじんでいた。

RS終了からPO初戦までの約1週間。指揮官は「いつものプランは守備から。ただ今回は、攻撃から考えないといけない」と、攻守で新たなスタイルに取り組んできたことを示唆。攻撃を仕掛けることで要警戒の相手の速攻を封じ、勝機につなげるシナリオだ。

そのためには、インサイド制圧と、高確率で3点シュートを決めることが鍵となる。ミュラー監督と同じくチーム4季目で主将を担うPF加納誠也(35)は「この2つが相手に付け入る隙」と言い切った。副将のPG岡田雄三(28=三島市出身)は「最初の5分で『静岡、きてるな』と相手の出ばなをくじきたい」とティップオフからのエンジン全開を宣言。その上で数字には表れないような「小さな差を突き詰めたい」とポイントを挙げた。

来季B1ライセンスを有さない昇格初年度の静岡。今季の集大成となるPOの舞台は、さらなる成長を示す場となる。優勝候補を相手に全力投球でぶつかり、確かな手応えをつかむ。【倉橋徹也】