男子3000メートル障害で、昨夏世界選手権6位の三浦龍司(22=スバル)が、大会記録となる8分22秒07で優勝した。今夏のパリ五輪に即時内定となる参加標準記録8分15秒00切りはならなかったが、意識を勝負にシフトさせて勝ちきった。次戦の5月10日ダイヤモンドリーグ(DL)ドーハ大会で内定を狙う。男子100メートル予選では多田修平(27=住友電工)がレース中に右ふくらはぎ肉離れに見舞われ、途中棄権した。

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多田が、厳しい状況に立たされた。ピストルの音が響いたわずか約1秒後、足を止めてトラック内に倒れ込んだ。痛む箇所を両手で押さえたまま立ち上がれず、車椅子で会場を去った。

主催者発表では右ふくらはぎ肉離れ。アクシデントは今回だけではない。3月の世界室内選手権男子60メートル予選で6秒52の日本新記録を樹立。好記録で決勝に進んだが、レース直前に軽い肉離れを起こして、予選の記録を下回る6秒70で7位となった。同じ悪夢を繰り返す形となった

五輪切符を懸けた最も重要な選考会となる日本選手権(6月27~30日、新潟)を照準に準備を進めていた27歳。わずか2カ月での回復は厳しい状況で、2大会連続五輪出場は絶望的となった。