今回は私のトライアスロン仲間でもある笠原直子さんにインタビューをしました。

トライアスロン選手から全く別ジャンルのボクシングに転向し、新たな目標に向かって取り組んでいます。

トライアスロン選手だった時のことや現在に至るまでの経緯、人生観などについてインタビューをしました。

トライアスロンからボクシングに転向した笠原直子さん
トライアスロンからボクシングに転向した笠原直子さん

加藤 トライアスロンをやりはじめたきっかけを教えてください

笠原さん 父親が和歌山県トライアスロン連合の理事長をしていたので、トライアスロンは幼い頃から知っていました。自分自身も泳いで走れるのでできるのではないか?と思いで2013年にはじめました。

私自身、トライアスロンを始める前は競泳選手で、学生時代は4年間日本学生選手権出場したり、JAPAN OPENにも出場していました。実は元和歌山県短水路記録保持(100メートル個人メドレー)だったりもします。社会人になってからも全日本実業団水泳競技大会で入賞したり、日本スポーツマスターズ水泳競技大会にも出場して昨年は優勝しました。

加藤 すごい経歴をお持ちですね。トライアスロンで1番心に残っているレースは

笠原さん 2019年の日本トライアスロン選手権が1番印象に残っています。完走は無理かもしれないと思っていましたが、目標のために最後まで諦めずに取り組むことの大切さを学んだレースとなりました。結果、完走することができて、応援してくれた友人たちとともに喜びを感じることができました。

加藤 笠原選手はどこ走っていてもいつもたくさんの応援がありますよね!トライアスロンを通して培ったものは

笠原さん 仲間に恵まれていると思います。トライアスロンをはじめて、1番感じたことは、時間管理能力の向上です。実は私、仕事もしていますが結婚しているので家では家事もこなすんです。より効率よく仕事や家事ができるかを常に考えるようになりました。3種目ある競技で仕事もし、家事もこなすとなると1日をいかに効率よく過ごすかが大切だと。トライアスロンをやっている友人たちも仕事をしながら毎日練習していて本当にトライアスロンが好きなんだなと感じます。

ボクシングに転向した笠原直子さんのトライアスロン時代
ボクシングに転向した笠原直子さんのトライアスロン時代

加藤 ボクシングにはもともと興味があったのですが。はじめた経緯を教えてください。

笠原さん 南海キャンディーズのしずちゃんがやっていたので、自分にもできるかな?と興味はあったが怖くて踏み出せなかったんです。それにおばあちゃんがいたので心配するのでできなかったです。夫の転勤などもあり、千葉県に来てからストレス発散とダイエットが同時にできればと始めました。正直なところ、夫に対するストレスを発散する目的ではじめたのが1番の理由かな(笑い)。それが今となっては自分自身もびっくりするくらいのめり込んで、楽しいスポーツになっています。夫に感謝ですね(笑い)。殴られることに対する恐怖心もなかったので、格闘技をしている友人からは適職だよと言われています。でも人を殴ることに最初は抵抗があって。パンチがヒットしたら『すみません』と頭下げてました。根は優しいんだなと自分自身感じました(笑い)。

加藤 それは旦那さんに感謝ですね!夫婦生活にもよかったかも?(笑い)トライアスロンをやっていたことはボクシングに生かされていますか

笠原さん 基礎体力がトライアスロンで培われたと思うのでゼロではないと思うが、全く違うスポーツ(スピード持久力系)なので…でも最後まで諦めない力、精神力は生かしてると思います。

加藤 それではボクシングをはじめて成長したと思うところはありますか

笠原さん メンタルが強くなったと思います。『対自分』の競技から『対相手の』競技になったことで、自分ではどうすることもできないことが増えた分、良いことも悪いこともたくさんの想定を考えられるようになりました。どんなパンチが当たって一発逆転があるかもわからないので、最後の最後まで諦めない気持ちはトライアスロンの時よりは強くなりました。

加藤 メンタル面での成長は人としての成長にもつながりますよね。素晴らしいです。最後に今後の目標を教えてください!

笠原 2年後に愛知で開催されるアジア大会に日本代表として出場して、応援してくれる友人達の前でいい試合がしたいです。後援会も立ち上げてくれてより一層応援が力になっています。認定チャンピオンの日本代表ではなく、協会からも認めてもらえるような選手になりたいというのが今の目標です。トライアスロンをやっていた時と同様に、自分のチャレンジが誰かの力にもなれればと思っています。チャレンジする気持ちやスポーツを楽しむこと、応援を力に変えて全力を尽くすこと。そして、応援してくれる仲間やライバルからも愛される選手でありたいと思います。今後の笠原選手の活躍に期待を込めて、大活躍を楽しみにしています。

(加藤友里恵=リオデジャネイロ五輪トライアスロン日本代表)

ボクシングに転向した笠原直子さんのトライアスロン時代
ボクシングに転向した笠原直子さんのトライアスロン時代