<男子ゴルフ:日本プロ日清カップ>◇3日目◇14日◇兵庫・小野東洋GC(7158ヤード、パー71)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 石川遼(19=パナソニック)の国内メジャー初制覇が絶望的になった。強い風と硬くなったグリーンの影響でショットの距離感が合わず、10番から自己ワーストに並ぶ4連続ボギーをたたいて失速。74と崩れて首位と9打差の通算3オーバー、26位となった。ツアー未勝利の河井博大(39)と、韓国の■相文(24)が通算6アンダーで首位に並んだ。

 まさかの急失速だった。念願の日本タイトルへ、我慢強く粘ってきた石川が、一気にスコアを崩した。10番パー4から、自己ワーストに並ぶ4連続ボギーをたたいた。

 「そこが、本当に悔やまれます。後半、これからというところだったので」。首位との差が9打差まで開き、国内メジャータイトル奪取は絶望的。19歳は静かに唇をかみしめた。

 風速10メートル近い風と、硬さを増したグリーンに距離感が狂った。10番は残り90ヤードの左ラフからグリーンをオーバーしてボギー。バーディーが欲しい11番パー5では、フェアウエーからの第2打を右林へ曲げた。第3打は球に松ぼっくりが寄りかかっていた不運もあり、思った方向に飛ばせなかった。「今日はああいう状況になる日だったんですかね」。悪い流れは結局、13番まで止まらなかった。

 夢舞台の経験を生かすつもりだった。3年目で初めて予選を通過した4月のマスターズ。20位で迎えた3日目に73と崩れて、優勝争いできずに終わった。気持ちがひと息つき、強気に攻めきれなかったことが失速の理由。08年から3年連続で予選落ちしていたこの大会も、今年ようやく決勝ラウンドへ進んだ。「優勝争いできる位置で最終日を迎えたい」。そう決意して臨んだが、難度を増したコースに屈した。

 通算9勝の石川にとって、足りないタイトルが国内メジャー。尾崎将はプロ初優勝が71年の今大会、中嶋もプロ2勝目を77年大会で挙げ、早々に「プロ日本一」の称号を手にしてきた。19歳7カ月の石川にとっては、国内メジャー最年少優勝(浅見緑蔵の19歳9カ月)もかかっていただけに、痛恨の1日となった。

 プレー後は練習場に向かい、パターを“エース”のL字マレットに戻すことを決めた。「明日も見に来て下さる方はたくさんいると思う。歩いて見てくれる人の前でいいプレーをしたい」。屈辱は最終日に晴らす。【木村有三】※■はナベブタに裴のナベブタを取る