<米男子ゴルフ:フェニックス・オープン>◇第1日◇1月31日◇米アリゾナ州スコッツデール、TPCスコッツデール(7216ヤード、パー71)

 石川遼(21=フリー)が大会名物「2万人大ブーイング」の洗礼を浴びた。13番パー5のボギーでリズムを崩し、2バーディー、3ボギーの1オーバー72、暫定104位と出遅れた。スタジアムのようにホールを囲むスタンドに、大観衆が詰め掛ける16番パー3でも1オンに失敗。ゴルフでは珍しいブーイングも浴びてしまった。フィル・ミケルソンが「60」をマークし、2位と4打差の暫定単独首位に立った。

 16番162ヤード、パー3。石川は9番アイアンの第1打を、グリーン右のカラーに外してしまった。その瞬間、ホールを取り囲む2万人収容のスタンドから、地鳴りのような大ブーイングが起きた。酒をたらふく飲んだ赤ら顔の観客から、ジェスチャー交じりのヤジも飛ぶ。イベント色が強い、この大会ならではの強烈な洗礼。「この距離でグリーンを外したら仕方ない」という言葉どおり、厳しい表情でブーイングを受け止め、グリーンへと歩いた。

 最悪の流れだった。序盤はショットが好調。ドライバーは2番で飛距離344ヤードも記録し、バーディーも2つ先行した。しかし13番パー5でボギーをたたくと、流れが一変。14番パー4では2オンに失敗し連続ボギー。15番パー5は第2打を池に入れ、巻き返しのバーディー奪取に失敗した。

 本来パー5は、バーディー最大のチャンス。だが今季はここまで3大会、24ホールのパー5のうち、バーディーがわずか2つ。通算2オーバーと逆にスコアを落としてしまっている。

 「今日はとにかく13番が痛かった」。悪い流れを断ち切りたいと思う分、ボギーをたたいたショックは大きい。ピンを攻めてピン側にグリーンを外すのではなく、明らかなミスショットでピンと反対側に外した16番のティーショットにも、動揺はにじんでいた。

 現状の予選通過ラインとはまだ3打差。ショット、パットともに好調だけに、巻き返しは十分可能だ。それだけに、まずは「ノルマ」のパー5をモノにし、流れに乗りたい。【塩畑大輔】