新人ささきしょうこ(19=フリー)が、プロデビューのツアー競技で満点デビューを飾った。2バーディー、2ボギーの72で首位と4打差8位。8月のプロテストに合格し、名前を覚えてもらうため「佐々木笙子」を平仮名登録した異色のルーキーが、いきなり国内メジャーで優勝戦線に名乗りを上げた。世界ランク4位柳簫然(ユ・ソヨン=25)が4アンダーで首位、2打差2位に鈴木愛(21)とアン・ソンジュ(28)。

 ささきの笑顔がはじけた。「早くここ(ツアー競技)に来たかったので」。アンダーパーは7人だけ。風雨でタフさを増したコースで、プロデビューの19歳が堂々のパープレー。スタート1番パー5で2オン2パット、17番パー3はユーティリティー6番で30センチのベタピンにつけ、2つのバーディーを奪った。

 8月のプロテストに合格し、登録名を「ささきしょうこ」にした。当初は「笙子」を読んでもらおうと「佐々木しょうこ」にする予定だったが、独学で5通りの姓名判断をすると、すべて「運気を下げる」と出た。だから、現在の女子ツアーで「たにひろえ」「かねだひろみ」に次ぐ3人目のオール平仮名登録に踏み切った。

 兵庫・猪名川中3年で、日本ジュニアを制した逸材は、8歳で青木功のゴルフ世界殿堂入り特番をビデオで見て以来、プロゴルファーだけを目指した。アマチュア競技よりツアー競技を優先。必然としてナショナルメンバーには選ばれなかった。プロ転向前に出たツアー21試合の大部分は“マンデー予選会”を突破、力で勝ち取ったものだ。「プロだから、ちょっとでも上位に行って、ちょっとでもテレビに映りたい」。異色の実力派が最高のデビューに、声も弾ませた。【加藤裕一】

 ◆ささきしょうこ(佐々木笙子)1996年(平8)6月8日、兵庫県加古川市生まれ。クラーク記念国際高卒。ゴルフは9歳から。アマでのツアー最高成績は13年森永製菓ウイダーレディースの16位。170センチ、65キロ。