プロ5年目の香妻琴乃(23=サマンサタバサ)が首位と2打差3位に浮上した。8位から出て4バーディー、1ダブルボギーの70で通算2アンダー。昨年の大会は腰痛を発症して欠場し、今年がプロとして初出場の国内最高峰の舞台。ツヨカワ系プロはリベンジの舞台でツアー初優勝に挑む。

 香妻がやっと本来の姿を取り戻した。前半16番パー5でダブルボギーはあったが、11番で4メートル、最終9番で3メートルを決めた。4番パー4は残り141ヤードを1・5メートル、6番パー4は残り124ヤードをピン30センチへ。昨季平均パット数1位の技、ショットのキレがかみ合った。難コースで70だ。

 宮崎・日章学園高時代に3年連続出場した今大会だが、プロでは5年目で初出場。昨年は会場の琵琶湖CCまで行きながら、腰痛で欠場した。それが苦難の始まりだ。今季は腰痛を引きずり先週まで10位内が1度で賞金ランク63位…。「いつズキンと来るかわからないから、練習量を抑えてきた。でも、それだとどうしても自信が持てなくて…」。従来の30~40%だった打ち込みを7月中旬以降は80%まで戻し、状態を上げてきた。

 5年ぶりとなる国内最高峰競技。「高校の時はピンばっかり狙っていた。今思えばすごく怖いプレー」と苦笑い。口癖は「シードよりツアー初優勝」。懐かしさと、1年前のリベンジの思いを胸に、香妻の勝ち気な瞳は輝いている。【加藤裕一】

 ◆香妻琴乃(こうづま・ことの)1992年(平4)4月17日、鹿児島県鹿屋市生まれ。ゴルフは3歳から。宮崎・日章学園高1年時の08年日本女子アマでメダリスト。11年プロテスト合格。下部ツアー2勝。昨季賞金ランク19位で初シード獲得。157センチ、51キロ。