原江里菜(28=NEC)が1打差2位発進した。女子プロ有数のグラマーなスタイルにフィットしたパッティングフォームで、今季自己ベストタイの5アンダー67をマーク。熊本地震の被災地には義援金300万円を送った。ルックス、ハート、実力を備えた人気者が通算3勝目へ、文句なしのスタートだ。

 スムーズなストロークだから、球の転がりがいい。最終18番。原の13メートルのバーディートライは、スライス&フックのスネークラインを描いてカップに消えた。「かなり気持ち良かったです」。11番パー5では残り86ヤードの第3打を放り込むイーグルもあった。67の快スコアに胸を張った。

 胸が大きい。ネットで「原江里菜」と検索すると「必ず何カップ、とか出てくる」と苦笑いする。それは人気の1つだが、ゴルフでは時に邪魔になる。3戦前のフジサンケイレディースでパットのフォームを変えた。「ストロークで左側が詰まるので。…女の人って、胸があるでしょ?」。腰を大きく曲げ、前傾を深くした。胸を挟むように絞っていた両肘を外寄りに曲げ、パターを吊(つ)って構えるようにした。ストロークがスムーズになった。最近3戦は4位、6位、12位と成績も急上昇だ。

 熊本地震発生から今日14日で1カ月。KKT杯バンテリンレディース出場で「前震」に遭遇した原は、最大の被災地・益城町に義援金300万円を送った。あの時以来となる九州開催の大会だ。「試合を見に来れない人もいる。いつも通りではないですよね」。熱い思いを胸に秘め、V争いに挑む。【加藤裕一】