朴ジュンウォン(29=韓国)がエミリアノ・グリジョ(23=アルゼンチン)とのプレーオフを制し、日本ツアー初優勝を飾った。

 08年に日本ツアーに挑戦も、12試合のうち最初の4試合を除く8試合で予選落ち。2年の兵役をはさみ、合計6度日本でQTを受けた苦労人は「毎年『来年は絶対に来ない』と言いながら挑戦し続けてきた。諦めないで良かった」と喜びに浸った。

 首位と2打差の3位から出て6バーディー、1ボギーの66をマーク。単独首位から出たグリジョも最終組でスコアを3つ伸ばして2人が同17アンダーで並び、18番を繰り返すプレーオフに突入した。その1ホール目、第2打を先に打った朴はピンそば1メートルにピタリ。重圧をかけられたグリジョの第2打はピン左7メートル。バーディーを奪って勝負を決めた。

 「最後だと思って臨んだ」という今季。2月のレオパレス21ミャンマー・オープンで最終日最終組を経験も2位。5月の関西オープンは単独首位発進を決めたが、最終日に77をたたいて11位に終わった。「欲が出てしまって勝てなかった。優勝を意識せず、気持ちを入れ替えたことがいい結果につながった」と振り返る。

 昨季賞金王の金庚泰(29=韓国)と同い年で、ジュニア時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた。「鬼」の異名を持つ現在日本ツアー最強の男からは「飛距離を伸ばす努力をするよりも、フェアウエーを捉えて、アプローチとパターにつなげていけば、必ず勝てる」と言われ続けてきたという。シーズンでは平均飛距離111位ながら、平均パット数で堂々の1位。今大会4日間のフェアウエーキープ率も2位だった。

 「自分自身に目標はシードだと言い聞かせてきた。優勝したけど、これからのことは全く考えていなかった。これから考えていきたい」と初々しく笑った。