全美貞(33=韓国)は3シーズンぶりの勝利に感無量だった。

 一昨季から故障に悩まされ、スランプに陥った。一昨年に右手首の靱帯(じんたい)を損傷し「ひどい時はインパクトの時、手首が割れるような痛みだった」と振り返る。

 痛いから怖くなり、スイングも崩した。「自信がなくて、心が折れて」ゴルフをやるのもつらかった。若くして引退する女子プロの気持ちがわかったという。実際にやめようとも思った。だが、「これから何ができる?」と自問し、「私が一番うまくできるのはゴルフ。もっと努力しないといけない」と続けてきた。

 かつては「目標は永久シード(通算30勝)」と話していた。復活の23勝目を挙げ「また優勝できると思ってなかったし、夢と思っていた。つらいことも乗り越えて優勝できたし、これから頑張れば、また何かが起きるかもしれない」と話していた。