松山英樹(24=LEXUS)が1イーグル、6バーディー、ノーボギーの64をマークし、通算11アンダーの133で首位と3打差の3位に浮上した。同組だった殿堂入りゴルファーのアーニー・エルス(47=南アフリカ)に刺激を受けるなど充実のラウンドとなった。石川遼(25)は15位。昨年優勝のジャスティン・トーマス(23=米国)が単独トップに立った。

 松山が、しみじみと言った。「ああいう大きな人になりたいなと思いますね。体じゃなくて。雰囲気もそうですけど、ああいう大きな人になれるように頑張りたいと思います」。全体的にプレーの進行が遅れて待たされる時間が多く、その度にエルスと話し込んだ。

 米ツアー本格参戦から4シーズン目となり、大会前は「(本来の場所に)戻ってきた感じがある」と話すなど、居心地の良さを感じるまでなじんできた。そんな中で、メジャー通算4勝、穏やかな物腰から「ビッグ・イージー」の愛称で親しまれる47歳の気遣いがうれしかった。「W杯は遼とペアなのか。遼とはプレジデンツ・カップで一緒にプレーしたよ」「君はメジャーで勝てる」。かけられた言葉をかみしめ、自らの理想と重ね合わせた。

 エルスとの交流を楽しみながら、新シーズン初戦で優勝争いに絡んできた。5番パー5では残り196ヤードから6番アイアンで2オンに成功。7メートルのスライスラインを沈め、今季初イーグルを奪取した。その後もショットをピンに絡めてバーディーを量産。昨年大会の優勝スコアが通算26アンダーと伸ばし合いが想定されるコース。「残り2日がすごく厳しくなるから、10(アンダー)くらいまではいきたいなと思っていた。そこまでいくことができて良かった」と、うなずいた。

 前日は「25点」だったショットの評価は「45点くらい。ミスしてうまくいってる部分もあるし、自信もまだない。そういうところでマイナス55点」と、いつも通りの辛口採点。一方で「このくらいだったら、まだチャンスは残ってるのかなと思う。それが優勝争いになった時にどうなるか」とも言った。わずかな手応えをにじませ、決勝ラウンドを迎える。【亀山泰宏】

 ◆アーニー・エルス 1969年10月17日生まれ、南アフリカ・ヨハネスブルク出身。米ツアー19勝。メジャーは94、97年全米オープン、02、12年全英オープンを制した。190センチ、95キロ。