地元静岡・熱海市出身の渡辺彩香(23=大東建託)が5バーディー、1ボギーの68で回り、申ジエ(28=韓国)とともに首位に立った。両親、妹が見守る中でショット、パットともにさえわたった。15年にも優勝しているゲンの良い大会で、ツアー通算4勝目を目指す。

 渡辺は最も多くのギャラリーに見守られながら、心地よくプレーした。インスタートの前半12、15番でバーディーを奪取。パー3の後半4、7番は、いずれも1打目がピンまで5メートルと微妙な位置に飛んだが、今季好調を維持しているパットでねじ込んだ。

 先週のアクサ・レディースでも優勝争いに加わりながらショットに納得がいかず「内容は勝負になるようなものじゃなかった」。だが、打ち込みで修正し「よくなりました。フェアウエーキープもよくしてましたし。パーオンも多かった。何より今日は感触が良かった」と“彩香スマイル”を取り戻した。

 家族が近くにいるのは大きい。実家の熱海市から父光章さん、母和枝さんが駆け付け、ホテルには妹祐奈さんと宿泊する。渡辺が過去優勝した14年アクサ・レディース(宮崎)、15年ヤマハ・レディース、15年樋口久子Pontaレディース(埼玉)でも、最終日には家族総出の応援を受けた。今回も勝つ姿を見せたい。

 優勝した15年大会では最終日に雨が降っていた。今日31日も雨予報。キャリーで距離が稼げる渡辺のような飛ばし屋に有利だ。「この時期の葛城は毎日穏やかだということはないし、雨に対しての苦手意識はない。ドライバーがよくなってきて雨もプラスになる」という。

 ラウンド後、今や知名度が全国区になった静岡ローカルのハンバーグレストラン「さわやか」の名前を挙げ「熱海にはないので食べに行こうと思います」と目を輝かせた。地元パワーをもらい、ツアー4勝目を奪いにいく。【千葉修宏】