全米オープンでメジャー通算14勝目を挙げたタイガー・ウッズ(32=米国)が18日、痛めていた左ひざを再手術し今季残り試合を欠場することを自身の公式サイトで発表した。4月にも左ひざを手術したが、復帰戦だった16日終了の全米オープンでの激闘により再び状態が悪化。今回は断裂している左ひざ前十字靱帯(じんたい)の修復手術になる。5月の練習中に左すねを2カ所疲労骨折していたことも判明。傷だらけの王者は手術後はリハビリに専念、来季の復活を目指す。

 壮絶なメジャー14勝目の直後に、衝撃のニュースが待っていた。4月に手術したばかりの左ひざをかばいながら、プレーオフを含め5日間計91ホールを戦い抜き、感動の復帰戦Vを飾ったウッズ。だが、体はボロボロだった。激闘によって悪化した左ひざの再手術を決断。さらに、練習中に左すね2カ所を疲労骨折していたことが判明。今季残り全試合を欠場することを明らかにした。

 4月の手術では軟骨除去と、前十字靱帯(じんたい)の修復を行った。今回は断裂している同靱帯を完全修復するのが目的だ。AP通信によると、コーチのハンク・ヘイニー氏は「全治には6~8カ月くらいかかりそう」と話した。

 前十字靱帯を切ったのは、昨年7月全英オープン後にジョギングしていた時だという。疲労骨折が発覚したのは全米オープンの2週前。医師は6週間の安静を勧めたが、ウッズは「試合に出て勝つ」と拒否。理由を「昔から思い出の詰まったトーリーパインズGCだったから」と説明するが、代償は極めて大きかった。

 骨折についてウッズは「時期が来れば、話すべきだと思っていた」とコメント。7月の全英オープンは96年のプロ転向後初のメジャー大会欠場になる。プロ入り後の2度の手術(02年12月と今年4月)後は、いずれも2カ月後に試合復帰したが、今回は未体験の長期欠場になる。「手術後はリハビリに専念したい。回復に全力を注ぐ」。強い王者は戻ってくるのか。ニクラウスが持つ史上最多メジャー18勝越えを目指すウッズに、ゴルフ人生最大の危機が訪れた。