3月のニュージーランド・オープンに優勝した幡地隆寛(30=ディライトワークス)が、首位と1打差の通算11アンダー2位から出て5バーディー、2ボギーの67で回り、通算14アンダーの266。首位から出た清水大成を捕らえ、逆転で日本ツアー初優勝を飾った。
序盤からショットに違和感があった。3、4番を連続ボギー。4番ではダブルボギーの可能性がよぎるパットが残ったが「次につながるよう、腐ったパットは打たないようにしよう」。4メートルをねじ込み「ナイスボギーだった」。流れを引き寄せた。
8番パー4で1オンに成功し、初バーディー。9番では隣の1番ホールにティーショットを打ち込んだが、そこからしぶとくパーセーブ。同組の清水がスコアを落としたため、単独首位で前半を折り返した。
雨が降り出した後半も飛ばし屋らしく11、12のパー5を連続バーディー。ただ、飛距離にものを言わせたバーディーではなく「このあたりからパターのタッチが合い始めた」。14番では3メートルのパーパットを沈め、「4番が良かったのかな。見えるラインと感じたラインが違ったんですけど、自分の読みの感覚が鋭くなってきて」。ティーショットのブレをパターでカバーし、15、16でも連続バーディー。最終18番でパーパットを沈めると、右手を挙げてガッツポーズ。ライバルたちからはウオーターシャワーで祝福された。
「満足のいくもの。達成感と、苦しい1日からの解放感両方がこみ上げてきた」。日本初勝利をかみしめた。
ツアー屈指の飛ばし屋も勝てず「未完の大器」と呼ばれた。転機は昨年のダンロップ・フェニックス。米国から参戦したB・ケプカと回り、「ゴルフの原理が分からなかった。日本で味わえない技術を目の当たりにして向上心に火が付いた。自分が近づきたい選手に触れることができた」。今までは飛距離でコースをねじ伏せるゴルフをやってきたが「ようやく自分のやりたいこととやるべきことの区別がついた」。
昨年の日本オープンで石川遼と2日間一緒にラウンドし、優勝できなかった悔しさも大きかった。ゴルフに出会ったころのような新鮮な気持ちでミドルアイアン、アプローチ、パターに練習時間を費やした。結果、国内外で勝利。努力が結果につながった。
居ても立ってもいられず、この日急きょ、東京から応援に駆けつけ、夫の優勝に涙を流した妻の志保さんは「練習に行かなきゃ、じゃなくて練習したい感じ」と夫の変化を明かした。
明日20日は全米オープンの最終予選(滋賀・日野GCキングC)、続い手、週末には全英オープン出場権をかけたミズノオープンと連戦が続く。
趣味のカードゲームも「全然できてない」と言うが「今はそれよりもゴルフのことを考えてしまう」ときっぱり。シーズンオフまでは封印になりそうだが、今はゴルフが楽しくて仕方ない様子だ。
「ようやく国内で1勝あげることができました。これを弾みに日本ツアーを盛り上げる1人として頑張りたい」
一皮むけた幡地がツアーを盛り上げてくれそうだ。

