<男子ゴルフ:関西オープン>◇最終日◇24日◇滋賀・滋賀GC(7080ヤード、パー72)◇賞金総額3000万円(優勝700万円)

 石川遼(16=パナソニック)のプロ初Vは、父勝美さん(51)との二人三脚でつかんだものだった。昨年マンシングKSBで優勝したとはいえ、他のプロに比べ経験も技術も劣る息子に、勝美さんがまず言い聞かせたのが「ドライバーの上達」だった。

 「平たんなティーグラウンドから打つドライバーだけは、遼も他のプロも同じ条件で打てる」。素振り、球打ちを含めて徹底的に振り込ませた。練習で思い切りの良さを欠くと「何を怖がっているんだ」と、厳しく問い詰める場面もあった。

 ただし、怒りの先は成績ではなく「スイング」がほとんど。注目を浴びる息子に決して重圧はかけなかった。口癖は「今年は1試合でも優勝争いできればいい」。今大会3日目を終え報道陣には「プロは勝つことが最大のパフォーマンス」と話したが、夕食時の息子には「まだ4コーナーを先頭で回っただけ」「ぶっちぎって勝つスポーツじゃない。頭を使って1打でも相手より良ければ、バタバタでもいい」と話し、重圧を和らげた。

 石川は「いつもガミガミ言われるので自然と頭の中に入ってくる。父のチェックポイントを信じてやってきたことが、こういう緊張感の中でも生きたと思う。素直にありがとうと言いたい」と感謝していた。