<男子ゴルフ:ダイヤモンド杯>◇3日目◇29日◇埼玉・狭山GC(7159ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝2400万円)

 片山晋呉(37=フリー)が「魔法の3色シャフト」で2位につけた。46・5インチのドライバーを視覚的に長く感じさせないよう、シャフトを独自の配色にしたのが奏功した。違和感がなくなり、この日は6バーディー、1ボギーの67で回り、通算9アンダー207とスコアを伸ばした。通算15アンダーで首位金庚泰(韓国)が独走も、約1年半ぶりの優勝に望みをつないだ。

 片山が冗舌になった。18番で2メートルのパーパットを沈めて、17番パー5でのボギーを気分的に帳消しにしての2位。「最高」と笑った。

 「飛んでいる」というドライバーの話になると止まらない。飛距離アップもあって、46・5インチと男子プロとしては長いシャフトを日本プロから使い始めた。手元から緑、黄、シルバーの3色に塗り分けている。「長くみせない」と効能を披露し「僕の場合、長いとボールが小さく見えてしまうのが嫌。何十回も配色を考えて、これが一番短く見えた」と、違和感をなくせた。

 イメージ、目の錯覚の利用で、発想は「昔、スキーのストックの色を塗り分けることで短くみせるというのを読んだ」のを、ゴルフに応用してみた。契約メーカーに依頼し、完成にこぎ着けた。「特許とか意匠登録を申請したら」という報道陣に「そんなこともできるの」と真顔になった。

 「ヘッドの色も変えたい」という道具へのこだわりは、コースへの思いにも通じる。「ここ5年で最高のセッティング。持っている(技術の)引き出しのいろんなものが使えて楽しい」と、やりがいを感じている。

 08年11月三井住友VISA太平洋以来勝ち星から遠ざかる。09年はマスターズ4位になり、燃え尽き症候群状態になった時期もあったが、「勝ちたいと思ってきた」と、気持ちの立ち直りもみせる。過去最大差逆転Vは4打差(2度)。金と6打差にも「(技術を)見せつけながら、プレッシャーを与えていきたい」と、シナリオを描く。【赤坂厚】