<女子ゴルフ:スタンレーレディス>◇2日目◇14日◇静岡・東名CC(6520ヤード、パー72)◇賞金総額9000万円(優勝1620万円)

 前日にサスペンデッドとなった第1ラウンドの残りが行われた。大和笑莉奈(22=フリー)が6バーディー、1ボギーで自己ベストの67をマーク。これまでツアー通算49戦で予選通過わずか9回、最高順位36位のダークホースが、2位で最終日最終組に入ることになった。東北高で大和と同部屋だった前回大会覇者の有村智恵(24)も67で2位につけ、大和とともに最終組に。66をマークした森田理香子(22)が単独首位に立った。

 終盤のチャージで、一気に上位に浮上した。大和は後半6番パー3で、13メートルを沈めてバーディーを挙げた。勢いに乗ると、7番では1メートル、8番ではピン直撃で4メートルとショットでチャンスメーク。さらにバーディーを重ねた。「あまりガツガツせず、落ち着いてプレーできた。状況判断もよかったし、ショットが安定していた」。自己ベストの「67」に言葉も弾んだ。

 これまでツアー49試合に出場してきたが、ほとんどの試合で予選落ち。それが霧や悪天候で試合進行が遅れ、第2ラウンドが中止になったこともあり、一躍最終日最終組へ。東北高の2年先輩、寮では同部屋でもあった有村と同組というオマケもついた。

 「(有村は)あこがれの人。おとといも誘ってもらって、東北高のみんなでご飯を食べに行きました」。同行した木戸も、同学年で高校選手権団体で2度優勝した仲。アース・モンダミン杯で優勝争いをする姿に「影響を受けました。アースが終わっていろいろ考えた」と刺激を受けた。高校の後輩、大江がフジサンケイレディスで初優勝したのも、励みになった。今までなかった「負けたくない」という気持ちがバネになり、飛躍の足がかりを得た。

 中学2年の時にアルペンスキーで全国大会に出場した異色の経歴も持つ。濃霧の前日がキャンセルではなく、サスペンデッドになったことで、消化していた9ホールの3アンダーが生きるなど、流れも味方している。有名選手を押しのけての優勝で、18番グリーン上に「笑」顔をはじけさせる。【塩畑大輔】

 ◆大和笑莉奈(やまと・えりな)1990年(平2)2月13日、山形市生まれ。幼少時からアルペンスキーに取り組み、中2で全国大会出場。直後に父の影響で、季節を選ばないゴルフに転向した。東北高では2、3年時に高校選手権団体優勝メンバー。卒業後、米フューチャーズツアーを経て、09年にプロテスト合格。ツアー最高成績は12年ヨネックスレディスの36位。生涯獲得賞金278万8000円。155センチ、50キロ。血液型A。