<男子ゴルフ:コカ・コーラ東海クラシック>◇3日目◇29日◇愛知・三好CC西C(7315ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝2400万円)

 ベテラン平塚哲二(40=甲賀CC)の“酔拳ゴルフ”がさく裂した。スポンサー関係者の飲み会から一夜明け、5バーディー、1ボギーの68をマーク。通算3アンダーで首位と2打差5位に浮上した。夏場に首を痛めて7月以降は出場8戦で予選落ち5回と低迷していたが、ツアー屈指の酒豪らしい活力で通算7勝目を射程圏に捉えた。

 ぽてっとした腹を揺すり、平塚が豪快に笑う。「昨日がボロボロやったんで、ドローを意識してたんを『やっぱりフェードかな』と思ってやったら、ティーショットが安定してくれました」。1番パー4で残り115ヤードの第2打をピン1メートルにつけバーディー発進。最終18番は2・5メートルのパーパットをねじ込んだ。切れ味と粘り腰がかみ合う68に、笑いが止まらない。

 「ゴルフは仕事で、酒は気晴らし」というツアー屈指の酒豪は前夜も飲んだ。スポンサー関係者の誕生パーティーでワインから、ご飯をかきこんでシャンパンへ。グラスに注がれるままにイッキ連発で約4時間も飲み続け、ホテル帰りは午前様…。パーティー前、トレーナーの勧めで生涯初の高酸素カプセルに入ったが「何がええんか、ようわからんでねえ。だいぶ飲んだんで、きょうは“酔拳”でした」とまた笑った。

 夏場は散々だった。6月末に首を痛め、7月以降出場8戦で予選落ち5回。だが、復調気配の今は酒がうまい。ゴルフもうまい。最終日2打差逆転で今季初勝利となれば、勝利の美酒だ。種類はマイブームの冷酒か?

 「隠れてこそっとね。それがうまいんですわ」。杯を傾けるまねをして、ニンマリしていた。【加藤裕一】

 ◆平塚哲二(ひらつか・てつじ)1971年(昭46)11月6日、京都府生まれ。ゴルフは10歳から。平安高(現龍谷大平安)日体大を経て、94年プロ転向。12年連続賞金シードを保持。03年賞金ランク2位。03年日本シリーズJT杯などツアー通算6勝。アジアンツアーでも4勝。173センチ、80キロ。