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諸葛孔明に導かれ…小田孔明が初賞金王

18番、バーディーパットを決めガッツポーズで締める小田孔(撮影・下田雄一)
18番、バーディーパットを決めガッツポーズで締める小田孔(撮影・下田雄一)

<男子ゴルフ:日本シリーズJTカップ>◇最終日◇7日◇東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)◇賞金総額1億3000万円(優勝4000万円)

 小田孔明(36=フリー)が、重圧を乗り越えて初の賞金王に輝いた。6バーディー、2ボギーの66で回り、通算6アンダー274で3位に入った。約650万円を上積みして今季獲得賞金は1億3731万8693円。賞金ランク2位の藤田、同3位の近藤らを突き放した。パワーを生かしたショットは世界クラス。来季はメジャーでも上位進出を目指す。6位で出た宮本勝昌(42)が通算9アンダーで今季2度目の優勝でツアー10勝目を挙げた。

 スーパーショットで初の賞金王に花をそえた。18番パー3。小田孔は第1打をアイアン型ユーティリティーでピン手前6メートルにつけた。奥から手前への傾斜が強く、平均パット数1・833の最難関グリーンで、ほぼ真っすぐの上りラインが残った。「ショートしたら恥ずかしい」と強めのタッチで沈め、このホールで最終日唯一のバーディーを挙げた。逆転賞金王の可能性があった藤田、近藤、岩田が低迷。賞金王はほぼ確定していたが、王座にふさわしいゴルフで、戴冠を衆目に納得させた。

 ホールアウト後、青木功のインタビューを受け、感極まったのか目に涙が浮かんだように見えた。「こういう時は、誰に何を言われてもこうなってしまう」と苦笑いする。過去、賞金ランクトップ10が4回とキング争いには何度も加わってきた。しかし07、13年と首位で迎えた最終日に逆転負けした日本オープン同様、あと1歩のところで手が届かずに来た。「賞金王になりたいという昔からの強い気持ちが、最後は後押ししてくれた」とうなずいた。

 新王者は、父憲翁さん(70)が好きな「諸葛孔明」にちなんで名付けられた。中国の伝説の軍師が軍を操るように自在にショットを操り、コースを攻略。今季は2勝以外にも、トップ5が6回と、終始優勝争いを重ねて他を圧倒した。

 そんな孔明が“軍師”に救われた。初の賞金王目前の今大会、重圧から眠れぬ夜が続いた。体も思うように動かない。そんな中、脳梗塞で倒れて自宅療養中の憲翁さんから、諸葛孔明の名言を織り交ぜた激励のメールが届いた。父の言葉を貴重に思うからか「どんな名言かは教えられない」と断ったが「ああ、昔に諸葛孔明の伝記で読んだ話だなあ」と思ったという。なつかしさでリラックスしたのか、最終日前夜はすんなり就寝できた。

 これまで予選通過がなかったメジャーで、今年は全英オープン、全米プロと予選を通過。「自信がついたことで、賞金王になれた」と言う。世界トップクラスの選手とのプレーで刺激を受け、帰国後トレーニングや練習の意識が変わり、スケールアップもした。

 賞金王獲得で来季の全英オープン出場権も獲得。世界ランクは52位前後に上がる見込みで、来年4月のマスターズ初出場が視野に入った。日本を制圧した孔明が次に見据えるのは、世界での戦いだ。【塩畑大輔】

 ◆諸葛孔明 正式な氏名は諸葛亮で、孔明は字(あざな=かつて中国で成人男子が実名以外につけた名)。中国の歴史の中で、魏、呉、蜀の三国が並立していた時代の天才軍師。蜀の建国者である劉備の創業を助け、その子の劉禅の丞相として補佐した。劉備が諸葛亮孔明を幕下に迎えるために、3度家へ足を運んだことを「三顧の礼」という。五丈原の戦いで54歳の時に病死。

<小田孔明(おだ・こうめい)アラカルト>

 ◆九州男児っちゃ 1978年(昭53)6月7日、福岡県生まれ。今も「~っちゃ」という方言の口癖を、同い年の谷原らにまねされる。千葉・東京学館浦安高、研修生を経て00年にプロ転向。03年にツアーデビューし、08年のカシオ・ワールドで初優勝。

 ◆パワフルっちゃ 若い頃から鍛えた逆三角形の肉体は176センチ、85キロ。「若い頃は、今のクラブなら350ヤードくらいは飛ばせたと思う」と言う。

 ◆ショット名手っちゃ 7歳でゴルフを始めた頃から、父の方針で土の上で練習。深くターフを取るパンチショットを磨いた。精度高いアイアンで、今季はパー4通算50アンダーで断然1位。

 ◆惜敗続きっちゃ 07年日本オープンは、2打差首位で出た最終日に80をたたき8位。13年の日本オープンも3打差首位の最終日を前に「死んでも勝つ」と涙したが、小林正則に逆転され2位。「次は日本オープン」とリベンジを期す。

 [2014年12月8日9時23分 紙面から]

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