富士重工業は16日、年内で自動車の世界ラリー選手権(WRC)の活動から撤退すると発表した。関連経費は年間数十億円かかっており、景気悪化を受け自動車販売台数不振を受けて、経営資源の効率化を目指す。スズキも09年からWRC活動の休止を決めており、これで国内自動車メーカーのWRC参戦はなくなる。

 森郁夫社長は東京都内での記者会見で「状況が許すならば続けたかった。F1に比べては投資額は大きくないが、われわれにとってはかなり大きな投資なので(撤退を)決断した」と語った。「スバル」ブランドの富士重は90年の本格参戦から計47回のレースで優勝しており、スバル車の所有者らには熱心なファンが多いだけに、ラリーに代わるブランドイメージの構築が求められそうだ。景気悪化の余波は、ホンダのF1シリーズ撤退に続き、モータースポーツ活動の相次ぐ縮小につながった