カーリングの世界選手権で日本初の銀メダルを獲得したLS北見が29日、成田空港着の航空機でカナダから帰国した。決勝でスイスに敗れた直後は悔し涙に暮れたが、会見では終始「笑顔」。激闘で声をからしたスキップ藤沢五月(24)の「通訳」をサードの吉田知那美(24)が務めるなど、氷上から離れても抜群のチームワークを見せた。

 「ここがゴールではなく来シーズンへ頑張りたい、と言っています」。藤沢の言葉を吉田知が繰り返す。隣の鈴木夕湖が笑い、さらに吉田夕梨花、本橋麻里が続くと、会見場に笑顔があふれた。銀メダルには全員が「悔しい」と声をそろえたが、世界大会で日本勢のメダル獲得は男女を通じて初の快挙。報道陣も出発時の1人から数十人に膨れ上がった。

 世界のメダルで18年平昌(ピョンチャン)五輪に向けても期待が高まる。藤沢は「少しは狙っていいのかな」と話したが、代表へは激しい国内の争いもある。本橋は「選手たちに、五輪は見えていないと思う。まず日本を勝って、アジアを勝って、世界へなので」。藤沢も「五輪がすべてではない。世界選手権で勝たないと、五輪でも勝てない」と、世界の頂点を目指して話した。【荻島弘一】