2020年東京五輪招致を巡り、多額の資金が国際陸連前会長側に振り込まれたとされる問題で、招致委員会で理事長を務めた日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は13日、東京都内で「業務に対するコンサルタント料で問題があるとは思っていない。招致活動はフェアに行ってきたと確信している」と送金の事実は認めた上で、疑惑を否定した。

 萩生田光一官房副長官も同日の記者会見で「正式な業務委託に基づく対価として支払った。適切な商取引だ」と述べた。

 竹田会長はフランス検察当局に指摘された計280万シンガポールドル(約2億2200万円)の送金は、シンガポールに所在するコンサルタント会社へのものと確認した。「タン氏」という人物の経営する同社は、国際大会の招致でアジアや中東の情報分析に定評があるという。支払先の銀行口座と、国際陸連のディアク前会長の息子との関係については「知らないし、確認されていない」と説明した。

 共同通信の調べでは、この会社の所在地はシンガポール郊外にある古い公営住宅の一室。企業であることを示す看板などは出ていない。同国汚職捜査局はフランス当局と協力して捜査していることを明らかにした。

 支払いは招致計画づくりやプレゼンテーション指導などの招致に関するアドバイスや、ロビー活動、情報分析などに対するコンサルタント料で「正式な業務委託に基づく対価」とした。13年7月と10月の2回に分け、公認会計士による監査を経て送金したという。

 国際オリンピック委員会(IOC)からの照会に対しても、同様の回答を行った。