「タカマツ」が苦しい胸の内を明かした。バドミントン・スーパーシリーズ・ファイナルを終えたリオデジャネイロ五輪女子ダブルス金メダルの高橋礼華(26)松友美佐紀(24=ともに日本ユニシス)組は19日、ドバイから成田空港に帰国した。決勝で中国の19歳ペアに完敗。高橋は気迫負けだったことを認め、要因に五輪での達成感を理由に挙げた。

 リオに懸けた4年間の日々が濃かったからこその悩みだった。

 高橋 正直、今年は五輪が1番。達成感もあり、次の目標を見つけることは簡単ではない。今回の準優勝は仕方ないとの気持ちがある。

 19歳の中国ペアは、五輪での「タカマツ」のように貪欲に粘り強く、勝利を求めてきた。松友も「中国ペアは必死だった。その差が出た。こんな状態で勝てるほど甘くない」と振り返った。

 リオの金へ、4年間、走り続けてきた。反動は大きい。高橋は「リオでは絶対に金メダルを取るとワクワクしていた。今は負けたらどうしようとか、中途半端な気持ち」と言えば、松友も「五輪後の気持ちは、今まで経験してないもの」と戸惑う。

 五輪後もスーパーシリーズが続き、国内リーグもある。バドミントンのトップ選手にほとんどオフもないが、今の「タカマツ」には立ち止まって休むことが必要。高橋は「今は東京五輪とか簡単には言えない。リオで金メダルを取りたいとの気持ちを取り戻さないといけないが、それは簡単ではない。休んでいろいろ考えたい」と話した。来年は初の世界選手権(8月、スコットランド)制覇を目指すためにも、充電して心を整える。