ほろ苦いスタートを切った。スーパーラグビー(SR)参戦2年目の日本チーム、サンウルブズが昨季王者のハリケーンズ(ニュージーランド)に17-83で敗れた。後半終盤にはフランカー金正奎(25=NTTコム)らが2トライを決めるなど奮闘する場面もあったが、19年W杯に向けた“準日本代表”の初陣は大敗に終わった。第2戦は3月4日にキングズ(南アフリカ)とシンガポールで対戦する。

 王者の壁は厚かった。サンウルブズは、前半5分の先制トライを皮切りに6連続トライを決められた。精度の高いキックパスを使ったFWとBKとの展開ラグビーで圧倒された。後半29分に金が中央に意地のトライを決めるなどしたが、66点差の大敗。堀江は「もう少し、組織的に全員に行き渡らないといけない。歯がゆい気持ちもあるけどやってた方は100倍歯がゆい」と唇をかんだ。

 昨季は1勝1分け13敗の最下位に終わった。今季は日本代表のジョセフ・ヘッドコーチ(HC)が、19年W杯日本大会に向けて「サンウルブズが代表強化の中心」と明言し“準日本代表”となった。海外でプレーしていたSH田中やFB松島らの主力が加入。代表コーチがサンウルブズで指導するなど連携を強化し、相手裏へのキックを使ってボールを動かす日本代表と同じ戦術を採用した。

 準備期間は3週間と短く課題も見つかった。先発8人は外国人で意思疎通が出来ていない日本人選手もいた。WTB中鶴は「チーム力の向上が重要」と指摘。ティアティアHCは「難しい試合は予想していた。今は困難に立ち向かうことが成長につながる。経験も大切」と強調した。

 第2戦は昨季28-33で惜敗したキングズ。けが人も多く厳しい戦いが予想されるが、19年W杯に向けて新生サンウルブズは立ち向かっていく。【峯岸佑樹】