体操男子個人総合で2012年ロンドン、16年リオデジャネイロ両五輪金メダリストの内村航平(リンガーハット)が19日、東京都内で練習を公開し、9日に終了した全日本選手権で10連覇を達成した演技構成のようにNHK杯(5月・東京体育館)も同じく難度を下げ、出来栄え重視の戦略で臨む考えを示した。

 日本の第一人者は全日本が個人総合と団体総合の2冠に輝いた昨夏のリオ五輪以来の復帰戦となったが、試合勘の欠如や体力不足を露呈し、2位の田中佑典(コナミスポーツ)と0・050点の小差だった。「内容が伴ってなかった。もっと切れのある演技はできる」と立て直しを図る。

 今季からの新ルールで出来栄えを示すEスコア(実施点)の採点が厳格になったが、演技の美しさに定評がある田中が全日本で高いEスコアだったことで、内村もEスコアに重きを置く。公開練習ではつり輪の力技で肘が曲がらないように確認し、2位までが世界選手権(10月・モントリオール)代表入りとなるNHK杯に向け「しっかり代表を決めたい」と言った。