<卓球:世界選手権団体戦>◇7日目◇29日◇モスクワ

 第1試合を落とした後、第2試合は世界ランキング11位の水谷が同1位の馬龍とのエース対決を迎えた。

 第3ゲームで8-10と追い込まれた水谷は何度もブロックで耐えたが、最後は馬龍のフォアの威力が上回った。球はネットを越えず、結局は1ゲームも奪えなかった。「今の実力なら何回やってもこの結果だと思う」と認める完敗だった。

 中国に勝つには水谷で2勝が理想だっただけに、この時点で日本男子の勝機はほぼ消えた。3番手の岸川も敗れて33年ぶりの決勝進出を絶たれ、世界選手権での対中国の連敗も17となった。

 水谷は20歳で馬龍は21歳。国際大会で過去6戦全敗と水をあけられていた同世代のライバルとはまだ差があり、7度目の挑戦も退けられた。馬龍は少しでも球が浮けば強打を放ち、体勢が崩れても強烈なドライブをたたき込んできた。水谷は「レシーブで崩され、先手が取れない。すきが見当たらない」と振り返った。

 またも中国の壁の厚さを思い知らされた。水谷は6月から中国スーパーリーグでプレーし、相手の懐に飛び込んでレベルアップを図る。ロンドン五輪に向け、その差を埋めるための取り組みが、再び始まる。