柔道男子60キロ級で五輪3連覇の野村忠宏(34=ミキハウス)が10月10、11日のW杯バクー大会(アゼルバイジャン)で約1年6カ月ぶりに公式戦復帰することが19日、分かった。この日、都内の味の素ナショナルトレセンでの全日本男子合宿に参加。篠原監督が「(当初復帰予定の11月の)講道館杯まで空いていたし、アゼルバイジャンで出るからにはしっかり結果を残してほしい」と明かした。

 野村は全日本柔道連盟を通じ「ブランクを埋める意味もあるし、試合で学べるものもある。重要な大会です」とコメントした。北京五輪落選となった昨年4月の選抜体重別選手権以来の試合。今年5月に現役続行を決断し、12年ロンドン五輪を目指すと決めてからは講道館杯を照準に合わせていた。だが順調に回復していることもあり、復帰戦を前倒しすることになった。

 今合宿直前に古傷の左ひざ内側じん帯を負傷。この日の練習は乱取りを回避し、打ち込み中心だったが、篠原監督が「天才だから少しのズレも気になるのでしょう。私ら凡人には分かりません」と笑うように、重傷ではない。野村が畳の上に立つ日は間近だ。【広重竜太郎】