<バドミントン:ヨネックス・オープン・ジャパン>◇2日目◇23日◇東京体育館

 潮田が怒った!

 今春の結成以来、世界ツアー本戦初勝利を狙った池田信太郎(28=日本ユニシス)、潮田玲子(25=三洋電機)の「イケシオ」ペアは、申白■、張芸娜(ともに韓国)組に1-2で逆転負けを喫した。潮田が、腰より下でサーブを打たなくてはならないという競技規則に違反したとして、2度のサービスフォールトを取られるなど、イケシオは途中からリズムを乱した。試合後、違反に関して潮田が珍しく審判に詰め寄る場面があり、会見後も不満を爆発させた。

 試合後の公式会見を終えた潮田が、報道陣の前で天を仰いだ。「あーもう!

 勝てたのに~!」。念願の初勝利は手が届くところにあった。それだけに、2度のサービスフォールトを取られたことで、いつもは敗退に冷静な潮田も、この日だけは感情を抑えきれなかった。「動揺してしまった」と振り返った。

 第1ゲームを快勝し、第2ゲーム、9-6とリードの時だった。潮田がサーブを放つと、主審の対面に位置する日本人サービス審判(44)の右手が上がった。フォールトの合図で、相手に得点が入った。最終ゲームの3-4でも同じ違反を取られた。サーブのフォームを以前と変えたわけではない。なのに2度目の違反を、追いつくチャンスの大事な場面で取られ、潮田は信じられないといった表情を浮かべた。

 バドミントンのサーブには、ネット際に落とすショートと、深く打つロングがある。その組み合わせで相手レシーブの攻撃をかわすのだが、潮田は「今までロングでフォールトはあったけど、ショートでは記憶にない」という。違反を取られることでサーブにプレッシャーがかかる。事実、ペアの池田も「(潮田の)サーブが乱れてしまったのが分かった」と話した。

 11日に決勝だった全日本社会人で初優勝。その後、池田、潮田ともに代表合宿で、徹底して混合の強化を図った。潮田も「優勝した社会人の時よりもずっと混合らしくなっている」と手応えを感じていた。また今大会は、ツアー最高峰のスーパーシリーズ。勝てば世界ランクの上昇も期待できた。それだけに微妙な判定に悔しさが倍増だ。「もう!

 って感じ。でも、次にがんばらなくちゃ」。来月のオランダ、デンマークのツアーに向け、最後は笑顔で気持ちを切り替えていた。【吉松忠弘】※■は吉を2つ横に並べる