バドミントン女子ダブルスの「オグシオ」として人気を集めた北京五輪代表の小椋久美子(26=三洋電機)が12日、大阪・大東市内で会見し、現役引退を表明した。潮田玲子(26=同)とのペアで04年から全日本総合選手権5連覇。強さとルックスを兼備し、競技人気向上に大きく貢献した。08年末に潮田とのペアを解散。北京前からの故障に加え、昨年は慢性的な胃炎に悩んでいたと会見で告白。「正直、もう疲れた」と涙ながらに心境を明かした。
濃いグレーのスーツを着た小椋が言葉に詰まった。「去年体調を崩して、本当につらい1年間だった…」。そこまで言うのが精いっぱい。目いっぱいに涙が浮かぶ。さらに「何か…正直もう、疲れたなという気持ちが一番強い」と続けた。足は細くなり、体も以前よりスリムに見えた。日本協会の銭谷欽治強化本部長は「一般人のよう。アスリートじゃなくなってしまった」と話した。
「オグシオ」解散後は、1度も試合に出場できなかった。北京五輪前から持病の腰痛に加え、両ひざ、右足首に故障を抱えていた。ペア解消後は潮田より先に、12年ロンドン五輪を目指すと宣言。長期休養に入ったが、昨年5月ごろから体調不良に襲われた。「慢性的な胃炎が続いていた。ずっと復帰を目指そうと思っていたものからくる焦りが原因と思う」と初めて明かした。
同8月末からプールトレを始めた。コートで基礎的な打ち込みを再開しても、強度を高めるとまた体調を崩す。その繰り返しの中で病院にも通った。欠場中にチームは日本リーグ8連覇を達成。潮田に代わるパートナーは決まらない。銭谷強化本部長は「パートナーの問題も含め、ジレンマもあったと思う。ストレスがたまったのでは」と無念そうに振り返った。
昨年10月にはチーム関係者らに引退を相談した。正月には三重の実家に戻り、両親に決意を伝えた。潮田に対して、直接話すことはなかったという。それでも「玲ちゃん(潮田)の存在がなかったら、ここまでやってこれなかった。ずっと一緒に戦ってきた仲間、ペアとして私がロンドンを目指せなかった分、頑張ってほしい」とエールを送った。
今後は三洋電機に社員として残る予定で、当面は「OL」として業務をこなす。結婚は「全然ないです」と否定した。CM出演や写真集発売など、競技の枠を超えて爆発的人気の一翼を担ってきた小椋が、志半ばでコートを去る。【大池和幸】


