バンクーバー五輪銀メダリストで世界選手権女王の浅田真央(20=中京大)が、グランプリ(GP)シリーズ開幕戦のNHK杯を目前に復調気配を漂わせた。21日、会場の名古屋・日本ガイシアリーナで最終調整を行った。3日のジャパンオープンではジャンプが乱調だったが、この日は午後の練習で5連続で3回転半ジャンプを決めるなど調子は上向き。3シーズンぶりのGP初戦勝利でスロースターターを返上する。
NHK杯前日の会場に佐藤信夫コーチの大きな拍手が響いた。浅田が国内ではSPのプログラムを初披露。その冒頭で最大の武器となる3回転半ジャンプを決めた。続く連続3回転ループも成功させるなど、ほぼミスなく演技を完成。9月からコンビを組む佐藤コーチから自信を後押しされるように、拍手を送られた。
2度の転倒を起こし、シニア転向後ワーストのフリー得点を記録してしまったジャパンオープン(JO)から3週間。「JOがよくない出来だった。このNHK杯ではよい演技ができると思っている。どんどん調子を上げたい」と自分に言い聞かせるように話した。
JO後は9月から就任した佐藤コーチからマンツーマン指導を受けた。地元名古屋を離れ、同コーチの拠点とする新横浜にも3日間滞在するなど、ほぼ毎日、時間を共有した。ジャンプ前にスピードが減速するクセなどを指摘されながら、修正を図った。指導時間が限られたタラソワ・コーチ時代にはない、濃密な時間を連続して送れたのは収穫だった。
まだ安定性はない。午前中の練習では3回転半の成功は1度だけ。だが午後は5本連続成功させた。「その日によっていいときも悪いときもある。やってみないと分からない」。佐藤コーチも「少しよくはなってきている。だが私もまだ読めない」と確信をつかめるレベルには達していない。
今大会には妹分の世界ジュニア女王、村上がシニア初参戦する。「カナちゃんとは私が小5から一緒に練習してきた。一緒の大会に出るのは不思議な感じ」。先輩として、女王としての演技も求められる。過去2シーズンはGP初戦につまずいたが、復調気配に乗って新シーズンの初陣を勝利で飾る。【広重竜太郎】


