<アメリカンフットボール:関西学生リーグ・関学大37-7立命大>◇最終日◇27日◇長居陸上競技場

 関学大が立命大との全勝対決を制し、2年連続51度目の優勝を飾った。QB畑卓志郎(3年)を中心とする緻密な攻めで37点を奪い、出足の鋭いディフェンスで立命大攻撃陣をわずか1TDに抑える圧勝だった。7戦全勝とした関学大は12月4日に、4年ぶりの甲子園ボウル出場を懸けた西日本代表決定戦で中京大(東海)と対戦する。

 大方の予想を大きく覆す圧勝劇だった。攻守のバランスが抜群の関学大と、圧倒的なパワーフットボールの立命大。過去の対戦成績は関学大が37勝15敗(甲子園ボウル出場校決定戦の2敗を含む)と圧倒していたが、ここ10年は立命大が6勝4敗と勝ち越し。ここまで全勝同士の両者がベストの状態でぶつかれば、好勝負は必至と見られていた。

 だが第1Q3分23秒、いきなり試合が動いた。QB畑が18ヤードのTDパスをWR和田に通し先制。その3分後にはキッカー大西のFGで主導権を握った。そして第2Q4分23秒、先制コンビが再び魅せた。畑のパスを受けた和田俊が55ヤードを走り切ってTD。さらに第2Q終了間際には大西が確実にFGを決め、20-0と立命大を突き放した。

 正確無比なパスと絶妙なスクランブルで立命大DF陣をほんろうし、畑が37点という大量得点の立役者となった。「今まで自分たちがやってきたことを信じて、特別なことはやらなかった。立命大に勝って優勝するのは初めてなので素直にうれしいです」と笑顔。辛口の鳥内監督も「今日は出来すぎ。先手を取ったのが大きかったし、みんな自分の仕事をきちんとやってくれた」と珍しく選手をほめたたえた。

 7本のキックをすべて成功させた大西の言葉が、チームの思いを代弁する。「相手がどこであっても、自分の役割を果たすだけ」。選手それぞれが自分の役割をまっとうしてきた結果に生まれた圧勝劇だった。次は4年ぶりの甲子園ボウルをかけた中京大戦。畑は「何が何でも日本一になると決めてやってきたので、明日からまた練習です」と前を見据えた。輝かしい歴史を誇る伝統校が、前人未到の甲子園ボウル20勝に王手をかける。【中上博】

 ◆関学大の今後

 関西学生代表として12月4日の全日本選手権西日本代表決定戦(神戸市王子スタジアム)で中京大(東海)と対戦。勝てば同18日の全日本選手権決勝・甲子園ボウルで東日本代表校(日大か仙台大)と激突する。学生王者になれば、来年1月3日のライスボウル(東京ドーム)で社会人代表と日本一を懸けて争う。