19年ラグビーW杯の日本開催が決定したことを受け、開催候補地の札幌ドームが、期間限定でラグビー仕様に一部改良することを検討していることが29日、分かった。主なポイントはホバリングステージ(移動式天然芝サッカーフィールド)の拡大と、国際ラグビーボード(IRB)から指定されている2つ目の電光掲示板設置。世界初の屋内施設でのラグビー国際大会実施へ、最大限の準備でアピールする構えだ。

 サッカーと野球が主体の札幌ドームに新たな顔が加わる。28日にダブリンで行われたIRB理事会でラグビーW杯の日本開催が決定し、候補地の1つ、札幌ドームでの実施が確実となった。同ドームでの開催は日本協会と札幌市の承認済み。今後は大会実現へ、ホバリングステージの一部拡大と、2つ目の電光掲示板を設置するための詳細を詰めていくことになった。

 まずは現行縦120メートルのホバリングステージの長さを、仮設構造物もしくは盛り土などで長さを145メートル近くまで拡大する。サッカーの場合、タッチライン約105メートルに数メートルの余剰があれば十分だが、ラグビーは縦100メートルのプレーエリアに加え、インゴールが両側に各22メートル必要なため、部分的な補充を施す。

 道協会幹部は「まだ設計図の段階ですが、ピッチを確保できることは日本協会に認めてもらっている」と明かす。デッドボールラインから上り坂になるような緩衝帯を設けて不足分を補う方向で検討している。

 さらに開催条件とされている2つの電光掲示板設置についても、案はできている。現在、札幌ドームの電光掲示板は1つしかないが、それに加え、リースなどでリプレー映像が放送できるスクリーンを期間限定で搬入することで対応する。

 「世界的大会を実施できるのは道内ラグビーの底辺拡大に向け非常に大きな効果になる」と道協会幹部。受け入れ側の札幌ドームも「やったことがなく詳しいことはこれから」と慎重ながら協力態勢はできている。10年後の大イベントへ向け日本協会、札幌ドーム、道協会が最強スクラムを組んで実現にこぎつける。