1年納めの大相撲九州場所は9日に福岡国際センターで始まる。大関とりを目指す関脇安馬、3連覇を狙う横綱白鵬、新小結の豪栄道を追った。

 大事な場所を前にしても、安馬は重圧を感じさせない。「ワクワクしている。十両に上がるときもこういう気持ち。新しいことに挑戦できるからね」と目を輝かせた。

 星勘定や番付昇進について「意識していない」などと平常心を装う力士が多いが、モンゴル出身の24歳は正反対だ。十両と幕下以下とは、待遇に天と地ほどの差がある。そのときを引き合いに出しながら心境を語る姿は、頼もしい限りだ。

 その心意気が連日の精力的なけいこに表れている。番付発表翌日に早くも30番こなしたが「まだまだ」。その後は正午近くまで50番取ったり、鳴戸部屋への出げいこでは稀勢の里を圧倒し、4日は出げいこに訪れた横綱白鵬にぶつかった。

 129キロは軽量の部類だが、持ち味の鋭い立ち合いから、相手を起こして攻める取り口は迫力十分。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も「体がないので立ち合いのスピードで押し込むしかないが、立ち合いがだいぶ速くなった」と評する。

 名古屋場所で10勝、先場所は自己最多の12勝。大関昇進の目安とされる直前3場所の合計33勝には11勝で届くが、安馬は「全部勝ちたい。大きなチャンスを一生懸命つかみたい」。これ以上ないほど、心身とも充実している。(共同)