戦後初の外国出身力士として数々の功績を打ち立てた東関親方(元関脇高見山)が米国ハワイから来日して45年間の土俵人生に幕を下ろした。16日に65歳の誕生日を迎え、15日で日本相撲協会を定年退職。「もう最後だね。いろいろなことを考えているよ」と、おなじみのしわがれ声で感慨深そうに話した。
15日は東京都墨田区にある東関部屋の朝げいこで師匠として最後の指導。言葉は少なく、土俵のそばから時折遠くを見つめる場面もあった。「一番の思い出は曙が横綱になったことかな。師匠としては最高の瞬間だったし、今でも誇りに思う」。けいこが終わると、上がり座敷の神棚に両手を合わせて一礼した。
外国出身勢が全盛の現在と比べ、パイオニア的存在だった東関親方の苦労は想像を絶する。その生きざまを尊敬する弟子の幕内高見盛は「いろいろありすぎて、うまく言葉で言い表せない」と涙ぐみ、16日から部屋を継承する小野川親方(元幕内潮丸)は「辛抱、努力。その気持ちを伝承していく」と決意を口にした。
現役時代に日本国籍を取得。本名が渡辺大五郎の東関親方は弟子から贈られた記念品に喜び「明日からはワタナベさんだねえ」とほほえむ。ジェシーの愛称で親しまれた笑顔のまま、ゆっくりとゴールした。(共同)

