<大相撲九州場所>◇14日目◇22日◇福岡国際センター

 横綱鶴竜(29=井筒)が千秋楽決戦に持ち込んだ。

 直前に横綱白鵬(29=宮城野)が勝ったため、負ければ白鵬の優勝が決まる結びの一番。大関琴奨菊(30=佐渡ケ嶽)の出足を止め、左四つに巻き替えてからの右上手出し投げで楽々と転がした。「思い切って相撲が取れて良かった」と安堵(あんど)した。

 12日目の豪栄道戦で変化で勝ってから、流れが崩れた。翌13日目は日馬富士に一方的に寄り切られた。振り返って「勉強させられました」と言った。その悪い流れを何とか断ち切った。千秋楽へ自身の横綱初優勝の望みをつなげて「自分の相撲が取れた」と胸をなで下ろした。

 1差で追いかける千秋楽の直接対決で、本割、決定戦と2連勝して優勝した例は、02年初場所の栃東が最後。自身も今年初場所の本割で白鵬に勝ったが、決定戦で敗れた。状況が厳しいことに変わりはない。風邪もまだ完治はしていない。だが「ここまで来たらやるしかない」。覚悟を決めて、最終決戦に臨む。