朝青「ダメ」出げいこで琴光喜に5連敗
横綱朝青龍(27=高砂)が、絶不調に陥った。5日、愛知・一宮市内の佐渡ケ嶽部屋で出げいこを行ったが、大関琴光喜(32)に5連敗を喫した。その後も2敗と、春場所まで対戦28連勝と得意だった相手に5勝7敗と負け越してしまった。本人も下半身の粘りのなさと、スピード不足を実感。負けん気は健在だが、名古屋場所(13日初日、愛知県体育館)までの残り1週間で調子を取り戻せるか。
こんな朝青龍、見たことない。本人にとっては異例とも言える3日連続での出げいこ。準備を終え、他の力士と10番以上をこなしていた琴光喜を指名した。
異変は1番目から感じさせた。立ち合いで得意の左四つになるも、前に出ることができず、あっさりと上手出し投げをくらった。2番目は、左四つになったが、右から巻き替えられて寄り切り。3番目では上手出し投げで体を反転させられての送り出し。約200人の見物客からどよめきが起こる中、朝青龍は「くそーっ。もう1丁」と叫び、痛めている右足首のテーピングをはぎ取った。だが、立ち合いで踏み込めず、前にも出られない。3、4番目とも完全な力負けだった。
屈辱の5連敗…。06年秋場所前の横審けいこ総見で新顔の把瑠都に4連敗しているが、本場所では28連勝と得意にしていた相手にたたきのめされ、表情はみるみる青ざめた。目の力だけは失わず、「もう1丁」を繰り返して3連勝したが、9番目、12番目でも土俵外に出されてしまった。
ショックの色は隠せなかった。「ダメだ。踏ん張れない。(右足が)痛いのもあるけど、立ち合いが悪い。軽い感じだった。下半身が浮いたような感じもした。体がカチカチだもん」。けいこを見守った元横綱でNHK解説者の北の富士氏に「筋トレもいいが、もっと実戦を積まないとな」と忠告され、素直に「はい」とうなずいた。
夏場所後、ロサンゼルス巡業を挟んで2度、モンゴルに帰国し、番付発表後に場所に向けて本格始動した。いつもなら直前の出げいこで強さを見せつけ、優勝してきた。だが、先場所も終盤に失速したように、この調整法に親方衆の間に「年齢的(9月27日で28歳)にも、これからはそんなやり方では通じなくなる」との声も漏れる。初日まで残り1週間。焦る最強横綱は、今日も佐渡ケ嶽部屋に足を運ぶ。【柳田通斉】
[2008年7月6日9時27分 紙面から]
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