<大相撲名古屋場所>◇9日目◇21日◇愛知県体育館
公称体重232キロの西幕下筆頭山本山(24=尾上)が、来場所の新十両に大きく前進した。十両玉飛鳥(25)を押し出しで破り、勝ち越しの4勝目を飾った。猛暑でもやせない大食漢で、実は240キロ超の可能性もあるが、今場所は朝のちゃんこを抜いて好調をキープ。十両昇進が決まれば、秋場所前の体重測定次第で日本出身最重量関取が誕生する。
空腹を力に変えた。朝のちゃんこを抜いていた山本山は、玉飛鳥の当たりを胸で受け止め後に突き放し、足を前に運んだ。左右のプッシュで相手は土俵外へ。待望の新十両昇進に近づく4勝目に「勝ててもう、胸がいっぱいです。でも、腹は減っています」と言い、報道陣を笑わせた。
初日、東幕下筆頭の森に敗れてひらめいた。「そうだ。朝のちゃんこを抜いてみよう」。大食漢だけに、朝から食べ始めると、丼飯2杯、3杯と際限がなくなる。結果、体が動かなくなることが、これまでもあったからだ。狙いは的中し、2番相撲から足が前に出始めた。元大関小錦をほうふつさせる強烈な突き押しなどで4連勝。十両から幕下に陥落する力士の数にもよるが、07年初場所の初土俵から所要10場所で、関取の座をつかもうとしている。
取組後、師匠の尾上親方(元小結浜ノ嶋)から「よくやったな」と祝福され、感無量の山本山には、大相撲史に残る記録の期待もかかる。「夏場所中に量ったら234キロでした。もしかしたら今、240キロを超えてるかも…」。正式に体重を測定する秋場所前の健康診断(8月22日)で240キロを超えれば、98年春の須佐の湖を超え、外国出身力士をのぞく歴代日本人最重量関取となる。
記録への意識は「いや~、考えてませんよ」とはぐらかしたが、連日の猛暑でもやせない自信はある。「朝を抜いても夜、2倍食べればいいですからね。それに水は毎日4リットル飲んでいますし」。場所前にはすしを73皿食べるなど、食欲が収まることはない。
過去にも巨漢力士はいたが、山本山は高校2冠、大学5冠と今後の飛躍も期待させる。ノリ・お茶販売の老舗・山本山と同じしこ名も相撲ファンに浸透。本人も「変えたくない大好きなしこ名」と胸を張る。話術も巧みなホープが、角界のニューヒーローになる日も近そうだ。【柳田通斉】

