白鵬13日目V、白の時代だ/名古屋場所
<大相撲名古屋場所>◇13日目◇25日◇愛知県体育館
横綱白鵬(23=宮城野)が自己最速で7度目の優勝を決めた。大関魁皇(36)を寄り切って、3場所ぶりの賜杯奪回。13日目Vは自己初で、05年初場所の朝青龍以来。名古屋場所は初優勝で、史上10人目となる「年6場所制覇」も達成した。MLBイチローをモデルに、土俵上の所作を「機械化」して勝利を追求。昇進から1年が過ぎ、朝青龍との2強から「白鵬時代」の到来を予感させた。残り2日間、2度目の全勝優勝で花を添える。
初の名古屋制覇は、格別の味だった。土俵を降りた白鵬は「ヨシッ!」と声を発し、大またで花道を歩いた。「名古屋は初めてだし、2場所も優勝から離れた。今までで一番、気持ちいいね」。魁皇を突き放してから左上手を引くと、腰を落として前へ出た。盤石の内容で13個目の白星を並べ、史上10人目となる年6場所制覇を成し遂げた。
強い横綱を目指し、「イチローモデル」で勝利を追求した。06年春の大関昇進を機に、労働科学研究所の内藤堅志氏(43)と二人三脚で運動生理学を学んできた。場所中は取組だけでなく、土俵入りから録画。打ち出し後は毎日、所作に乱れがないかを確認する。
内藤氏は「同じ動作で臨めた時とそうでない時は、勝率が倍ぐらい違う」と説明する。同氏はルーティンのモデルとして、屈伸を繰り返して打席に入るMLBマリナーズのイチローや、スタート前に必ずペットボトルの水を飲む陸上短距離タイソン・ゲイ(米国)などを挙げた。
白鵬は後援会幹部に「イチローのVTRを見てる」と報告。仕切り線までの歩数や、まわしを3度たたくことなど、ポイントがある。毎日発する「流れが良かった」という言葉は、勝つためのキーワードなのだ。今場所からは最後の塩を取りに行く際、自主的にタオルで顔をふく動作を取り入れた。内藤氏は「横綱は研究熱心だし、もう大丈夫」と“卒業宣言”する。
先場所千秋楽は朝青龍と土俵上でにらみ合う醜態をさらした。北の湖理事長(元横綱)に「白鵬が悪い」と注意され、元横綱大鵬の納谷幸喜氏(68)に諭された。「理事長が『白鵬が悪い』と言ったのは、もっといい横綱になって欲しいから。もう少し大人になれ」。大横綱の言葉に、土俵上で乱れた自分を恥じた。
朝青龍が途中休場した場所で、自己初の13日目V達成。「1人横綱」の責務を果たし、北の湖理事長は「これからは白鵬が中心。そういう時代になる」と「白鵬時代」の到来を告げた。続けて「だからこそ全勝しなきゃダメだ」と高いハードルも設定する。「一気に疲れが出た。眠くなったな」と白鵬。2度目の全勝Vへ、まだ気を抜くわけにはいかない。【近間康隆】
[2008年7月26日8時57分 紙面から]
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