朝青「泣くほどうれしい」総合Vで締めた
【ウランバートル28日=来田岳彦】横綱朝青龍(27=高砂)が泣いた。初めての開催だったモンゴル巡業(ウランバートル市・モンゴル民族サーカス場)が終了。2日目のトーナメントを制し、総合優勝決定戦で初日優勝の横綱白鵬(23=宮城野)を上手投げで下した。閉会式であいさつをした際、夢だった故郷での巡業をやり遂げたことで感極まって、涙を流した。大仕事を終え、次は進退をかけた秋場所(9月14日初日、両国国技館)に臨む。
総合優勝決定後、声援に手を振っていた朝青龍の笑顔が、急に崩れた。閉会式で力士を代表したあいさつの途中「大相撲を愛するみなさまに感謝します」と話した後、言葉が続かなくなった。涙をぬぐうと「バイラルラー(ありがとう)」と叫び、観客の声援に両手を上げて応えると、すぐに土俵を下りた。
03年初場所後、横綱昇進が決まったときから実現を夢見ていたモンゴル巡業。「うれしくて涙が出たよ。大勢の皆さんが最後まで応援してくれてうれしい。日本と同じで、相撲を愛する人がたくさんいたから、盛り上がった。力士も頑張ってくれた」と感慨深げに振り返った。
土俵でも力が入った。初日トーナメントは準々決勝敗退に終わったが、この日は高見盛、魁皇、琴欧洲とモンゴルで人気の力士らを次々と破って優勝。総合優勝決定戦では、ライバル白鵬を上手投げで仕留めた。「勝ったのはたまたま。2人とも立派な横綱だから」と殊勝に話した。
心血を注ぎ込んだ巡業は成功したが、日本に戻れば試練が待っている。この巡業では両日とも左ひじにはサポーターが二重に巻かれたままで、名古屋場所で休場に追い込まれた負傷は完治していない。「(今巡業が)秋場所への大きな刺激になった。けがを治して頑張りたい」と話したが、休場後で進退をかけて臨む秋場所へ不安材料は山積している。母国では強い男をアピールしたが、真価を問われるのはこれからとなる。
[2008年8月29日8時46分 紙面から]
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