年寄り会が北の湖理事長に即処分を要求
北の湖理事長(55=元横綱)の独善を許すな! 日本相撲協会の役員(理事会メンバー)を除く親方衆で組織する年寄会の臨時総会が6日、東京・両国国技館で行われた。精密検査でも平幕露鵬(28=大嶽)と十両白露山(26=北の湖)の検体から大麻の陽性反応が出たことがこの日明らかになったが、別機関での追加検査が必要との同理事長の姿勢は変わらず。猛反発した年寄会は、精密検査の結果確定後すぐの対応が不可欠とし、処分内容を事前に決める緊急理事会を8日に開催するよう要求し、認めさせた。
怒号が飛び交った。露鵬の師匠、大嶽親方(元関脇貴闘力)が露鵬の潔白を主張する文書を読み上げる。ある親方がやじを飛ばした。「うるさい、やめろ!」。騒然とする会場。両親方は感情をあらわにし、激しくにらみあったという。
午後2時から非公開で、両国国技館地下の大広間で始まった臨時総会には、会員90人のうち79人が出席。危機感を物語るように、高い出席率だった。約1時間半後、意見を集約した朝日山会長(58=元大関大受)らが、理事の1人である武蔵川事業部長(元横綱三重ノ海)に要望書を手渡す。北の湖理事長の意向にはっきりと「NO」を突き付ける中身だった。
「早期の理事会、評議員会の招集を求める。理事会は大麻問題の精密検査の総合(最終)結果が判明する前の8日午前には開催し、黒ならどういう処分にするかを決めておいてほしい。追加検査をするのではなく、秋場所前にクリアにしてほしい」。
協会は露鵬、白露山の尿検体を、世界反ドーピング機関から国内で唯一公認を受ける三菱化学メディエンスに検査を依頼。5日深夜にA検体の検査結果が黒と判明し、この日朝に協会側に伝えられた。今後、B検体の検査を行うが、最終結果が出るのは8日午後以降になるという。ただ、北の湖理事長は今回の精密検査の結果を直ちには受け入れない方針であり、この日も「追加検査」の必要性をあらためて示していた。
それに対して総会では、「協会が依頼した精密検査をなぜ信用しないのか」「白露山が自分の弟子だとはいえ、理事長は判断が遅すぎる」などの声が噴出。精密検査結果が出る直前、8日午前の理事会開催と「黒になった場合はその場で処分を決める」ことを総意で求めた。
協会執行部も直ちにこの動きに反応し、「8日午前、再発防止検討委員会の後に理事会招集」とだけ発表した。この日、5人の理事で構成する執行部では、北の湖理事長だけが不在。本来、理事会は理事長が招集するものだが、今回は他の幹部が招集を決め、理事長に連絡して了承を得るという異例の手順となった。
総会では、理事長の責任を求める声も出た。一部親方が「弟子の問題で師匠が責任を取るのは当然で、理事長も処分をされるべき」と強く主張。退陣要求決議にまでは至らなかったが、理事会と同時に全年寄、日本国籍の大関以上の力士、立行司で構成される評議員会開催も求め、執行部も8日の理事会終了後に開催することにした。50代の親方は「理事長の進退についての議論は、理事会の後の評議員会で出るかもしれない」という。予想通り始まった親方衆による「クーデター」。北の湖理事長は「外堀」を埋められつつある。
[2008年9月7日9時27分 紙面から]
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