<大相撲九州場所>◇10日目◇18日◇福岡国際センター

 関脇把瑠都(24=尾上)が、優勝戦線の台風の目になった。最近1勝3敗と苦手にしていた大関千代大海(32)を寄り切り、初日から2連敗後の8連勝で勝ち越しを決めた。トップの横綱白鵬(23)、東前頭7枚目の雅山(31)と1差。過去に例のない連敗スタートからの優勝を目指し、11日目、白鵬に挑む。

 大関に何もさせなかった。把瑠都は踏み込んでもろ差しになると、内掛け、掛け投げと千代大海が苦し紛れにかけてきた足技にも慌てず、寄り切った。「立ち合いがよかった。体が自然に動いた。投げも考えたけど、やらなくて正解だった」と満足げに笑った。盤石の強さに千代大海も「かわず掛けを狙ったけど、びくともしないよ」とあきれ顔で言った。

 まわしを取れずに初日から連敗した。今年の6場所は初日全敗。「3日目くらいまでは立ち合いを考えてしまう」。緊張からつい考えすぎるのが原因だった。しかし、今場所はすぐに立て直した。「まわしを取れば大丈夫」という自信があった。宿舎にしている福岡・篠栗町の南蔵院の林覚竜副住職は「連敗したときもニコニコして『ケガしなかったから大丈夫』と言っていました」。

 大器がけがの光明で進化した。198センチ、177キロの巨体から強引な投げやクレーンのような力任せの技で番付を上げてきた。しかし、06年秋場所で左ひざを痛め、07年初場所で左ひざ前十字靱帯(じんたい)を損傷して、十両に陥落。ひざへの負担が大きかった。師匠の尾上親方(元小結浜ノ嶋)に「それだけでは上位に通用しない」と指摘され、まわしを取って前に出る形を覚えた。

 11日目は1敗の横綱白鵬に挑む。過去の対戦成績は5戦5敗だが、9月の横審けいこ総見では2勝1敗と勝ち越した。勝てば史上初の連敗スタートからの優勝という快挙に前進する。エストニア出身の24歳は「がっぷりになりたい」と力勝負を宣言した。【来田岳彦】