初場所(11日初日、東京・両国国技館)で進退がかかる横綱朝青龍(28=高砂)が、力の衰えを露呈した。7日、両国国技館での横綱審議委員会(横審)けいこ総見で上位陣と対戦して6勝10敗と精彩を欠き、横綱白鵬(23)とは1勝6敗。角界関係者は痛みを抱える左ひじ痛よりも下半身のもろさを指摘し、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は4場所連続休場を事実上容認した。本人は周囲に前夜の飲み過ぎが不調の原因としたが、初場所へ大きな不安を残した。

 朝青龍は何をやっても白鵬に勝てなかった。低く当たり前みつを引いても、前に出られない。動きを止められ、まわしを切られ、上体を起こされる。投げを打たれるとすぐに体が浮いた。3連敗後、「あーっ。くそーっ」と叫んで首をひねったが、目に力はない。その後も太刀打ちできずに計6連敗。7戦目に右上手をつかんで寄り切ったが、土俵際で足が浮いていた。

 琴欧洲、日馬富士にも完敗。初日の対戦が予想される稀勢の里には、右上手をつかみながら、左を差されて胸が合うや否や寄り切られた。肩で息をしながら計16番取ったが、かつてのスピードや力強さは影を潜めたままだった。

 けいこを見守った角界関係者は痛みを抱える左ひじではなく、「下半身の衰え」を口々に指摘し、初場所の休場を勧めた。NHK解説者の元横綱北の富士勝昭氏は「引かれたら前に倒れるし、後ろにも横にも粘りがない。初場所は出ちゃダメでしょう」。前日に引退に関する質問をして、朝青龍から「顔じゃない(あなたに聞かれる筋合いはない)」と言い放たれた元小結舞の海秀平氏も「反応、反射神経が悪くなりましたよね」と心配そうに話した。

 武蔵川理事長は「息が上がって、攻めるところを攻め切れていない。休場となればそれは仕方ない。出るからには万全でなくてはいけない」と、休場を事実上容認した。九州場所後の横審では「初場所も休場なら引退勧告」との声が噴出したが、この日は同委員からも「休場でも仕方ない」との声が漏れた。

 そんな中、朝青龍は前夜、米国の総合格闘技団体UFCと独占交渉契約を結んだ石井慧らと朝方まで深酒していたといい、周囲に「飲み過ぎ」が不調の原因と打ち明けていた。けいこ後は「ひじの調子はまあまあ。調整?

 うーん、だいぶん遅れている」と苦笑いした。

 近い関係者は「本人は出る気でいる」と話すが、強行出場して序盤に負けが込めば引退を迫られる状況にある。全休なら取組編成会議が行われる9日午前までに日本相撲協会に休場届の提出が必要。進退を春場所に先延ばしにするのか、元最強横綱は8日にも決断を下す。【柳田通斉】