大相撲の横綱審議委員会(横審)定例会が29日、東京・両国国技館で開かれ、横綱白鵬(25=宮城野)に特別な記念品を贈ることを決めた。すでに秋場所後の定例会で表彰を決め、「双葉山の69連勝を超えた場合」という条件付きで、記念品を贈る案が出ていた。記録は63連勝で止まったが、満場一致で特別表彰が確定した。

 鶴田卓彦委員長(83)は「双葉山だって(記録が止まった後に)連敗した。白鵬は見事に立ち直って、連勝した。63は大変な記録だ」と説明した。すでに、東京芸大学長で金工作家の宮田亮平横審委員(65)に依頼。世間相場でははかれない価値のものになるという。来年1月9日の初場所初日、土俵上での表彰が有力だ。

 横審では、白鵬の尊称についても意見が出た。双葉山は「相撲の神様」、千代の富士は「ウルフ」として知られるが、白鵬には「土俵王」が案として出た。鶴田委員長は「『角聖』と呼ぶには、69連勝を超えないといけない。まだ尊称はやれないな」と話した。横審の見解としては、白鵬は発展途上。「双葉山超えを目標としてやってほしい。不可能でない」と期待した。【佐々木一郎】