警視庁が昨年7月に野球賭博捜査で力士から押収した携帯電話に、勝ち星を数十万円で売買したと思われるメールがあったことが2日、明らかになった。放駒理事長(62=元大関魁傑)は即座に緊急理事会を開き、疑惑のある親方と力士13人中12人から事情聴取した。12人はいずれも否定したものの、外部の有識者7人による特別調査委員会を設置し、第1回会合を開いた。
今回のメールのやりとりでは、野球賭博事件のような暴力団とのつながりは見られなかった。八百長が判明したとしても立件されることはなく、刑事事件に発展する可能性はない。だが八百長が認められれば、最悪の事態を招きかねない。
昨夏からの野球賭博事件では、当時大関の琴光喜と大嶽親方(元関脇貴闘力)が解雇された。名古屋場所ではNHKがテレビもラジオも中継を中止し、千秋楽は相撲協会による優勝旗授与以外、天皇賜杯をはじめ外部からの表彰をすべて辞退した。同場所では名物だった呼び出しの着物広告が完全に消え、懸賞も激減。また巡業は相次いで中止となるなど、史上初めての出来事が続く事態となった。
大相撲では戦時中の1945年(昭20)に、米軍の空襲を警戒して無観客で、本場所を開催したことがある。八百長というプロスポーツにあるまじき行為が証明された場合、文科省をはじめ外部の圧力を受けることはもちろん、自主的にも昨年の名古屋場所以上の規制をかけ、無観客での本場所開催にまで発展する可能性がある。野球賭博事件が起きてから、相撲協会のトップに立った放駒理事長は「再生」を誓っていたが、新たな火種が噴出した。


