大相撲の幕内高見盛(34=東関)が、被災者支援に立ち上がった。12日、都内の友綱部屋に出稽古後、今後も余震や地震による被害が拡大した場合、所属する都内の東関部屋で炊き出しを行いたい意向を示した。「おかげさまで米はたくさんあるから、もしも地震が収まらないようなら、食べ物を振る舞いたい」と、後援者から届いて保管されている大量の食料を、地元住民たちに無償提供する計画だ。

 青森県内の実家には、一夜明けても電話がつながらないという。それでも親族を通じて「停電で困ったらしいけど大丈夫」と、無事は確認。身内のことばかりを考えてしまいがちだが「要請があれば、どこへでも行きたい。行くだけで励ますことができるかもしれないし、がれきの撤去でもいい。余っている浴衣用の反物も配りたい。清潔でないと病気がまん延するから」と、熱く訴えた。

 地震発生当時は、都内の自宅マンションで休んでいた。即座に出口を確保し、近所のコンビニに走った。「かさばらない形で塩分を確保するため、ピーナツをたくさん買った。あとは水も。水分と塩分があれば、人間は生きていける」。土俵上の熱血ぶりばかりが注目されるが、冷静さと生命力の強さをのぞかせた。

 当初は今日13日に都内で「早寝早起き朝ごはんフォーラム」という、日本相撲協会の監督官庁である文部科学省後援のイベントに参加予定だったが、地震の影響で中止となった。文科省幹部の前で、八百長問題からのイメージアップをアピールできるチャンスを失ったが「関係ない。困っている人がいれば力になりたいだけ」と力を込めた。