<大相撲秋場所>◇8日目◇18日◇東京・両国国技館

 大関昇進を狙う関脇琴奨菊(27=佐渡ケ嶽)が鶴竜(26=井筒)との関脇対決に敗れ、初黒星を喫した。得意の左四つになりかけたが、相手に巻き替えられて、もろ差しを許す。生命線の左が使えず、寄り切られた。支度部屋では珍しく、何を聞かれても無言。悔しい思いは、胸に秘めた。それでも、初日からの7連勝は自己新。昇進への目安となる12勝へは、3敗まで許される。

 この日、父一典さんは予定していた観戦を取りやめた。「ずっと勝っていましたからね。本人にも気を使わせたくないですから」。福岡・柳川市の後援会も、千秋楽ツアーを予定するが、今はまだ静かに見守っている。大関とりへの本気度が高いからこそ、関係者が一丸となり、神経を使っている。

 9日目は、過去5勝17敗と合口の悪い時天空戦。昇進の行方を左右する分岐点がやってきた。