<大相撲初場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

 東の支度部屋に戻った横綱白鵬(26=宮城野)は、淡々とした口調で負けを認めた。琴欧洲に寄り切られ、把瑠都の優勝を確定させた。「これだけ差がつけば、悔しいどころじゃない。自分で反省するだけです」。朝青龍が引退し1人横綱になった10年春場所以降初めて、13日目までに3敗。千秋楽まで、優勝争いをもつれさせることすらできなかった。貴乃花に並ぶ22度目の優勝は持ち越しとなった。

 年末年始は多忙で、稽古は不足。5日目に左足親指をねんざするアクシデントもあった。「指のせいにはしたくない。目に見えないものがいろいろあった」と振り返った。1人横綱の苦しさを認め、かねて「もう1人、横綱が誕生してほしい」と公言してきた。来場所は、把瑠都の綱とりがかかる。「綱に挑戦する資格はあるのか?」と聞かれると「十分じゃないですか」と認めた。1人で角界を引っ張るという気概は、変化しつつある。