<大相撲初場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館
初優勝した大関把瑠都(27=尾上)が横綱白鵬(26)に敗れ、全勝を逃した。春場所(3月11日初日、大阪府立体育会館)で綱とり挑戦を宣言したが、貴乃花審判部長(39=元横綱)は慎重な姿勢を崩さず、横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長(84)は物言いをつけたまま。大関とりに挑む関脇鶴竜(26)も13勝以上が目安になるなど、春場所で昇進を狙う2人には、苦難の道が待ち受けている。
白鵬の意地の前に把瑠都の全勝優勝はすり抜けていった。立ち合い、白鵬の鋭い踏み込みの前にわずかに後手を踏んだ。左を手繰られ、体勢を崩されまわしを取られる。土俵際に押し込まれ逆転のすくい投げを試みたが不発。最後は寄り切られた。「立ち合いの距離がかなり離れていたからね。突き放そうと思ったけど」と振り返った。
場内インタビューの締めで、把瑠都はきっぱりと言い切った。目指すべきものを聞かれ「横綱です」と綱とり宣言だ。「最初はバタバタしたけど、最後は自信を持って相撲が取れた」と尻上がりに上向いた内容を自賛した。
だが綱とりはいばらの道になりそうだ。国技館で観戦した横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長は「横綱を狙う資格はない。大関は変化したらない。堂々とした勝負をしないと」。12日目に勝負に徹し、立ち合いで左へ変化。稀勢の里をはたき込んだ内容に苦言を呈した。春場所でも優勝し連続優勝でも「満たした場合も、過去に(横綱に)なれなかった例はある。品格だよ」とまくし立てた。春場所でも立ち合いで変化するようなことがあれば「だめだな」と言い切った。
ただ今場所は、これまでにない安定感だったことは事実。初優勝というプレッシャーがあっても突いてよし、組んでから投げてもよしと地力を見せた。優勝の味を「最高です」と言いつつ「最後に1つ勝てなかったのがね。その問題を次は直したい」と課題を口にすることを忘れなかった。
夜、約160人を集めた都内での祝勝会では「春場所は2回目の優勝を目指したい」と言った。周囲からは当然のように、横綱昇進を求める声も多かった。把瑠都はホッとした表情を見せた一方で、次の場所の目標に目を向けた。結果に内容が伴えば、おのずと横綱が視野に入ってくる。【高橋悟史】

