<大相撲夏場所>◇5日目◇10日◇東京・両国国技館

 大関琴奨菊(28=佐渡ケ嶽)が5連勝とし、優勝争いのトップに立った。過去9勝11敗と合口の悪い豪風(32)を突き落としで下した。取組後、風呂に入っている間に稀勢の里が敗戦。報道陣から結果を知らされ「えっ?

 負けたんすか?」と反応した。単独トップに立ったが「まだまだ先が長いし、感覚を大事にしっかりしていきたい」と冷静さを保った。日本人の単独トップは、08年九州場所7日目の雅山以来、5日目では同年秋場所の豪栄道以来、4年ぶりとなった。

 この日は、立ち合いで強く当たり、左を差せないとみるや、すかさず突き落とし。0秒9で決着した。得意の左四つでないが「意外と(武器を)持ってるんですよ、やらないだけで。いろいろやっていきながら、チャレンジだと思ったら、緊張もしないし」。相撲の幅を広げるための挑戦が功を奏し、06年初場所の栃東(現玉ノ井親方)以来となる日本人Vへの期待も膨らんできた。